犬の毛ベストでペアルック♪ -犬の毛紡ぎの紹介-

ダブルコートのわんこ飼っている方はブラッシングで大量に出てくる抜け毛に、一度くらい「捨てるの持ったいなぁ、何かに使えないかな?」と思ったことはあると思います。
そんな抜け毛の活用法を調べていた時に出会ったのが、犬の毛を紡いで毛糸にして、セーターに仕立ててわんことペアルックを楽しむ!という記事でした。「海外では犬の毛セーターを着てペアルックを楽しんでいる」という内容で、おそらくこちらのサイトです。うちのもふもふ犬には必要のない服を着せてのペアルックは嫌だったのですが、逆にヒトが犬の毛を着るとは!と衝撃を受け、自分でも作りたくて糸紡ぎを始めることにしました。

せっせと紡いで毛糸を作り、ベストに仕上げるとこまでできたので、その工程を紹介します。
※まだまだ素人の、試行錯誤途中の犬の毛紡ぎの工程ですので、ゆるーく温かい目でご覧ください。

うちの子エイドリアンとエイドリアン毛100%のベスト

毛糸を紡ぐための方法はいろいろあるようですが、今回は糸車(紡ぎ車)を使用しています。
値段重視でいくならスピンドルという道具を利用した紡ぎ方になります。スピンドルはAmazonでもお手頃価格で購入できますし、自作している方もいるみたいなので、お手軽に始められられそうです。
しかし、シンプルな道具なだけに色々と技術が難しそうで、大量に紡ぐにも向いてなさそうなので、私は糸車で紡ぐ方法を選びました。
近場で開催されている月一の糸紡ぎ教室に参加して、糸車を使用した紡ぎ方を教わり、自分でも糸車を購入してのんびり時間があるときに紡いでいます。

犬の毛紡ぎの道具たち(カーダー、糸巻き器、かせくり器)

犬の毛採り

まず、糸紡ぎに向いている毛は細くて長い毛になります。短い毛は紡ぎにくく、太い毛は手触りがゴワゴワとして毛糸というより糸のような状態になるからです。
そのため、犬種により向き不向きがあり、柔らかい羊毛のような毛糸にしたい場合は、長毛種でダブルコートタイプのわんこ達のアンダーコートのみを使用する必要があります。

チャウチャウの毛 丸の部分のまっすぐなオーバーコートの隙間に見えるカールした細い毛がアンダーコート

ブラッシングの時点でなるべく柔らかいアンダーコートのみになるようにといて集めておくと後々の作業が楽です。そのため、ブラッシングは部位ごとに行い、スリッカーやファーミネーターなど太いオーバーコートもたくさん混ざってしまうものは使わず、ブラシやコームなどで丁寧にときます。
犬種による違いは判りませんが、うちのわんこ達(チャウチャウ)は足の先やお尻、尻尾の毛は太いので廃棄(もしくは分けて保管)しています。

ブラッシングの毛

犬の毛洗い

洗濯はうちではウール用洗剤を利用しています。犬用シャンプーでも良いと思います。
毛はバラバラだと扱いが大変なので、網の目の細かい洗濯ネットに入れて洗います。

ごしごし洗うと必ずフェルト化してしまうので、手洗いで、揉まずに優しく、そんなに汚れていなければ2回、汚れていれば何度か洗剤水を入れ替えて洗い、最後に水に入れ替えてやさしくすすぎます。洗濯機で脱水し、塊になっている所はほぐしてから干します。乾いてからだとほぐしにくくなります。

しっかり乾かすために、私は紙やトイレシートの上に広げて数日間干しました。

洗濯後のエイドリアン毛約1年分

犬の毛紡ぎ

十分乾かしたあと、そのまま紡ぐこともできますが、繊維がバラバラの向きになっていて紡ぎにくいので、カーダー(スリッカーのデカイ版)で毛の向きを整えてローラッグと呼ばれる葉巻状にします。

ローラッグ作りが自分にはなかなかくせ者で、今のところこれが正解かなという方法を下図にまとめました。(これはハンドカーダーのやり方ですが、ドラムカーダーだともっときれいにできるのかな・・・使ったことはありません。)

犬の毛紡ぎ ローラッグ作り

準備ができたら糸車を使用して糸を紡ぎます。私はシングルドライブタイプのアシュフォード製の糸車を使用しています。いろんなタイプがあるようですが、基本的には足で車輪を回して手で糸を送っていくだけです。ですが、それぞれ回転速度や手で毛を送る量やタイミングで仕上がりが大きく変わっていきます。

双糸にする場合、ボビンの大体8分目まで紡いだら玉巻き器に一度巻き取ります。

そして、糸の両端を合わせて2本にし、糸車を逆回転させて糸自体の撚りと逆向きに絡ませていきます。

犬の毛紡ぎ 双糸

作った双糸をかせくり器でカセの状態にします。

犬の毛紡ぎ かせくり器に巻き取る
犬の毛紡ぎ かせくり機から外して輪っかをネジって整えた状態

40℃のお湯に30分ほどつけ置きしたあと脱水し、錘をつけて風通しの良い場所に干して撚り止めをしたら犬毛糸の完成です。

犬の毛紡ぎ 撚り止めのために40度のお湯につける
犬の毛紡ぎ 錘を付けて乾燥

糸紡ぎを始めて1年近く経ちますが、まだ全然均一に紡げません。
まず葉巻状のローラッグ作り、これがなかなか奥深いです。これをうまく作っておけないと、紡ぐときに引っかかってテンポよく送れなかったりします。そして太い細いの激しいグダグダな糸になります。犬の毛は通常の糸紡ぎの原毛と違って繊維が色んな方向を向いているので、カーダーも羊毛のアートヤーンを作るときみたいな扱いでは上手く繊維が揃いません。混ぜることが目的ではなく、しっかり繊維を揃えてあげるために、カーダーに毛を乗せたらグイっと絡めながら梳く必要がありそうだと最近気づきました。
右利きなので左手側のカーダーを膝の上に上向きに、右を下向きに、柄が互い違いになるように載せて2~3回しっかり梳いたあと、左のカーダーに入り込んだ毛を右のカーダーで掬い取るように浮かせ、右のカーダーに全て毛を移したらカーダーを持ち換えて、ほぐれていない箇所がすべて消えて繊維が粗方揃うまで繰り返します。
葉巻状に巻くときは、繊維方法に巻くか、繊維と90度逆に巻くか、両方の方法があるようです。また、棒を使ってしっかりきつく巻く人もいれば、ふわっと手で丸めるだけの人もいるようです。いろいろ試してみましたが、正解は見つかっていません・・・。

これは色違いの羊毛を混ぜたときのモノ。原毛の繊維が最初から揃っているのでカーダー掛けても勿論キレイに揃っている。

紡ぐとき、糸が細く撚りが弱いと強度が足らず千切れやすくなります。撚りが強いとしっかりしますが毛糸のふわっと感がなくなり、麻糸みたいになります。糸が太いと撚りが少なくても紡げますが強度は落ちます。撚りが強すぎると、双糸にするときに絡まって上手く送れません。
ちょうどいい塩梅が未だに分かりません・・・。

犬の毛糸編み

毛糸が完成すれば、後は自分が作りたい作品に仕上げるだけです。カセの状態では扱いが悪いので、編む前に玉巻き器で巻いておきます。

犬毛糸の玉巻き 左からエイドリアン、ティティ、なつのアンダーコート。


素人が紡いだ毛糸なので太さも撚りもムラのあって全体的に太めなので、ジャンボサイズの棒針でゆるいゲージで編むことにしました。

完成品は大体120gくらい、カセの状態で1本25gぐらいだったので、大体5本分くらいになります。ばっちり暖かいのでもうシーズンオフになりました。

実は編み物スキルはほぼゼロなので母に丸投げして編んでもらったものです。。

まだまだ発展途上なスキルでの犬の毛紡ぎの紹介でしたが、それぞれの工程のコツなど、上達したらまた記事を書きたいですね~。
素材だけは大量にあるのでせっせと紡ぎたいと思います。

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