食器棚の天板、タイルのモザイクアートに挑戦! -失敗だらけの初心者のタイル貼りDIY-

このページでは、以前「箪笥リメイクで作る、チャウモザイク天板付きの食器棚」で紹介した食器棚天板のタイルDIYについて掘り下げてみたいと思います。今回のタイル貼りでは、既存のタイルシートを貼るだけではなく、モザイクタイルを置き換えて絵にしたオリジナルデザインに挑戦しています。

事前に念入りに施工方法を調べたつもりだったのですが、初めてのタイル貼りだったので、やはりたくさん失敗してしまいました。
一方で、下調べのおかげで上手くいった点や失敗の挽回するための工夫点もあります。
今回実際行った構想・計画から完成の順に、上手くいった点(工夫①~⑥)、失敗した点(失敗①~⑤)について紹介していきます。これからタイル貼りに挑戦する方の参考になれば幸いです。

今回も長文なので、目次から興味ある個所に飛んで行ってください!

今回施工するにあたって参考にさせていただいたサイトが下記2点です。他にもYouTube見たり、いろいろ参考にしています。

 タイルDIYが初めての方へ (タイルのテーブルの実例):タイル屋さんのサイトで、材料・道具からタイル割付・接着・目地入れまで、このページ以外にも色々手順が載ってます。

 タイルをDIYで張って実際に体験した7つの失敗:大家業をやっている方のDIYブログで、失敗談が大変参考になります。

 

構想、計画

まずは天板のサイズからどのようなタイルを貼るか検討です。

今回の食器棚の天板は後ろを少し延長したため、L字の変な形です。うっかり施工前の天板を撮り忘れてしまったのですが、タイルを適当に仮置きしたときの写真がこちらです。

この天板のサイズに合わせて、どのタイルを使いたいかで必要量を検討していきます。
タイルにはいろんなサイズがあり、また、目地を入れる隙間をどれくらいとるかによってもタイルの必要量は異なります。

今回は四隅に置いている(1)15cm角の紺色タイル(これがまず最初に気に入ってタイル貼りにしようと決めましたw)と、それ以外の縁の部分を(2)5㎝角の模様入りタイルで囲み、中を(3)1.5cmの無地のモザイクタイルで埋めることにしました。

工夫① ドット絵アプリでモザイクデザイン

モザイクタイル窯変タイルという、タイルごとに色味が違うものを使用することで白と茶色のモザイクタイルシートでチャウチャウを表現することにしました。天板のサイズを元に縦のタイル数を決め、チャウチャウの写真を元にドット絵(ピクセルアート)アプリを使って下図のようにマニュアルで色を決めていきました。

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今回使用したタイルは全て作善堂さんの美しい美濃焼タイルです。

このピクセルアートを元に、実際に購入予定のタイルの写真をぺたぺたと貼ってみて、イメージを固めていきました。

採用タイル検討図

ここまで具体的に計画できてからタイルを購入しました。

タイルを購入したら、他の材料・道具も揃えます。

  • 目地材
    ベーシックなカラーはホワイトとグレーですが、茶色や水色、黒などカラフルなバリエーションがあるようです。
  • 接着剤
    タイル用弾力性接着剤を用意します。小さいクラフト工作なら木工用ボンドでも代用可能です。
  • ゴムコテ
    目地を埋めるのに使います。一体型の簡易的な物より、しっかりしたものを選んだ方が施工が楽です。
  • くし目コテ/くしベラ
    接着剤を満遍なく広げるために使います。接着剤によってはセットで付いています。
  • 目地拭き取り用 スポンジ&タオル 
    おそらく目地用のスポンジを使った方が使い勝手が良いと思われますが、私は家で余っていたスポンジを使用しました。
  • スペーサー
    目地を均一にするために隙間を等間隔にするツールです。
  • タイルカット用 食い切り&タイルカッター
    タイルをカットするつもりがなければ不要です。玄人向けで、うまく使いこなせませんでした。
    小さな範囲であればルーターのダイヤモンドミニカッターを使用した方が、よほど効率よくキレイにカットできます。(工夫④参照)
  • バケツ
    目地材と水を混ぜるために使います。ケース付きの目地材もあります。

失敗① 目地材、接着剤の不足

パッケージに記載の施工面積、塗布面積を元に購入したら接着剤はギリギリ(実際は足りてなかったと思われる)、目地材は全然足りず、途中でホームセンターまで買いに走ることとなりました。

今回の天板は縦約45㎝、横約90㎝に左上にわずかな延長分があるくらいのサイズです。
購入した目地材は、目安の施工面積が1畳分(1.62㎡)となっていたので十分だと考えたのですが、タイルのサイズによって全然必要量が異なるという点を全く考慮していませんでした。こちらは10㎝角のタイルを貼るベースだったのです。
500gの目地材は1/3ほどを施工した段階で尽きてしまい、結果的に約1.5kgが必要となりました。

今更ですが、施工範囲と使用タイルの縦・横・厚み、目地幅から必要な目地量を計算できるツールを見つけましたので、これから購入する方はぜひ先に計算されると良いと思います。

タイル仮置き

計画図に合わせてタイルを仮置きしていきます。

今回使用した5㎝角のタイルと1.5㎝角のモザイクタイルは全体が約30㎝角のタイルシートとなるように裏面がネットで固定されています。このネットはハサミでカットできますし、水でぬらせばタイルと分離できます。
モザイクアートのチャウチャウの部分以外はある程度まとまって使用できるので、ネットをカットしながら直接天板に置きます。
一方でモザイクアート部分は、タイルの色味を観ながら入れ替えていかなければいけので、作業台の上でネットを水でぬらして分解しながら入れ替えていきます。

工夫② スペーサーを活用

今回使用したスペーサーは2㎜幅の十字形です。タイルシートをカットしてそのまま貼る分には不要ですが、今回は特に絵の部分をほぼバラバラにしたので、スペーサーを入れまくって綺麗な格子になるようにしました。

スペーサーはそのまま目地埋めして隠してしまっても良いようですが、今回はタイルを接着した後でなるべく取り外しました。このスペーサーは片面の十字の四隅に突起があるので、突起面を下にすれば取り外ししやすくなります。

工夫③ 段差をなくす

数種類のタイルを使用すると、タイルごとに厚みが違う場合があります。
その場合、タイル全体の表面レベルを合わせるために、予め下地に段差を作っておく必要があります。

今回使用したタイルの厚みは6㎜、7㎜、8㎜の3種類だったので、6㎜のタイル位置に2㎜の板(1㎜板を2枚重ねた)、7㎜のタイル位置に1㎜の板をあらかじめ貼ってからタイルを置きました。1㎜の板はこちらのMDFボードを使用しました。木の質感で、普通のカッターでもカットできます。

段差を横から見るとこんな感じです。

工夫④ タイルカット

通常小さなタイルのカットはタイルカッター(写真左)や食い切り(写真右)でカットします。が、これは玄人でないと難しいと感じました。
5㎝角のタイルを2:3くらいに分割したくてタイルカッターで必死に線を切れ込んで、なんとかそれっぽく割れましたが、成功したのは数枚中1枚だけでした。

タイルカッターと食い切り

15㎝角の大型タイルの横の隙間を埋めるのに使用しています。

大型タイルの横の長細いものがカットしたタイル

もう一つ同じようなカケラを作りたかったのですがタイルカッターではどうにもならず、手持ちのルーターにディスク型のダイヤモンドミニカッターを装着して切り込みを入れ、食い切りで切り込みに沿って削っていく方式で何とか目当てのものが作れました。(切り込みを入れた写真は撮り忘れました)

ちなみに、大がかりな道具としてはタイル切断機があり、これが一番簡単にきれいに切断できるのだと思いますが、DIYではちょっと手を出しにくいアイテムです。壁面や床面など広範囲にタイルを貼る場合は購入したいと思いました。

失敗② タイルの入れ替えでガタガタに

今回購入したモザイクタイルは縦横18個ずつ並んだシート状になっており、裏面のネットでシート形状を保っています。ネットは水でぬらすと剥がれるのですが、今回はシート形状を維持するために、ネットを完全に取り外さずにベースになるシートのタイルを一つずつ剥がして入れ替えるという方式を取りました。これが失敗で、一度剥がすと剥がした部分のネットの形が崩れるため、タイルを入れ替えた後、表面の高さがガタガタになってしまいました。遠目には分からない程度ですが近くで見るとはっきりわかります。
ネットで保持は諦めて全て取り去った後で、スペーサーで等間隔を維持しながらモザイクアートを作れば良かったなと反省しました。その場合、組み上げた後の形状保持は表側に養生テープを貼るなどで代用できます。

タイル接着

仮組したタイルを一度取り外して接着剤を塗布します。塗布の前に周りを汚さないようにしっかり養生をします。

目地入れも同じですが、接着剤も時間との勝負になります。固まり始める30分ほどの間に、微調整を含めタイルを完成形の位置に置かなければいけません。
広範囲をタイル施工する場合は、一部分の仮組を外して接着剤を塗布、仮組みを戻すという手順を繰り返すことになります。

完全に乾く時間は製品によりますが、私が使用したものは2~3時間とあり、念のため一晩放置しました。

失敗③ 接着剤不足で外れる

失敗①で書いた通り、接着剤が十分な量でなかったので、上の写真のように塗布されていない部分ができてしまいました。本当なら下地が見えないくらいには塗布しなければいけません。購入した接着剤は400gで塗布面積1㎡となっており、ちょうど使い切るぐらいかなと思って購入しましたが、多めに購入すべきでした。ちなみに、上手く接着しなかったタイルは、後から貼り直しとなりました。
また、接着剤の層がそれなりの厚みがあれば、失敗②のタイル表面のガタガタが接着剤による嵩上げで平らになったかもしれませんが、そのままガタガタで残ってしまいました。

一方で、接着剤の塗りすぎで、タイル表面にはみ出した接着剤を取るのが大変だったという失敗談もあるようなので、十分な量を塗布した後、くし目コテでしっかり均す必要がありそうです。

工夫⑤ 天板側面のタイル貼り

天板の縁も同じモザイクタイルをぐるりと張り巡らしました。元の縁は木のモールディングだったので、弧を描いており、そのまま接着剤を付けただけではタイルを保持できず、落ちてしまいます。そのため、下から支えるように当て木をして固定しました。

また、角は不自然にタイルが飛び出ないように、タイルの裏側を角に沿うようにダイヤモンドやすりで削りました。

目地入れ

接着剤が完全に乾燥したらいよいよ目地入れです。まずは目地材のパッケージに記載された分量を量って水で練ります。量が多いと混ぜるのは結構根気が要りますが、要領はホットケーキミックスと同じです。粉っぽさが完全になくなるまでひたすら混ぜます。

目地材が練り終わったら、タイルの上にざっくりおいて、ゴムコテでひたすら隙間を埋めていきます。スキマが全て埋まったらスポンジでタイル表面の目地材を除去します。最後に濡れタオルで表面をキレイに拭って、目地材が残っていなことを確認したら作業は終了です。このあと完全に乾燥するまで約24時間放置です。

失敗④ 目地材に入れる水が少なすぎた

目地材のちょうどよい配合は耳たぶくらい等と言いますが、気持ち水分がにじみ出るくらいが良いような気がします。下記左が水分が少なすぎる物、右がちょうど良いか少し水分が多めのものです。
最初は適切な配合が良くわからなくて、左のちょっとぱさぱさな目地材を埋めたのですが、ボロボロと取れやすい仕上がりになってしまいました。
一方で水分が多すぎると、ひび割れの原因となるようです。水で練った目地材がヘラなどで掬って垂れないぐらいで良いと思います。

取れてしまったところは再度目地で埋め直しました。

失敗⑤ 目地入れに時間をかけすぎて拭き取る前に固まった

目地入れを開始すると、本当に時間との勝負になります。接着剤の時と同じで、大体30分以内に余分な目地を全て拭き取らなければいけません。最初の目地材がなくなる1/3は上手くできたのですが、後で追加した目地材で残り2/3を一気にやろうとして失敗しました。自分の手際が遅すぎて、余分な目地材を完全に拭き取る前に固まってしまったのです。
壁側の隙間も目地で埋めたのですが、固まり始めてから養生を外したので、端がボロボロと取れてしまいました。

タイル表面に残ってしまった目地材はやはり見栄えが悪いので、へらなどでこすり取りました。また、ボロボロと取れてしまった目地は再度目地で埋め直しました。

工夫⑥ 表面に残ってしまった目地材をサビ取り消しゴムでこそげ取る

失敗⑤を挽回するためにひたすら表面にこびりついた目地材を取る作業開始です。
表面がつるつるのタイルはシール剥がしのヘラでこすれば取れましたが、縁周辺に使用した5㎝角の模様入りタイルは表面が凸凹しているため、いくらヘラでこすってもなかなか取れません。

針とシール剥がしヘラ


最初は針で凹部に残った目地材をちょっとずつこそげたのですが、永遠に終わらない気がして、ネットで見つけた方法を試してみました。
それが、百均でも購入できるサビ取り消しゴムです。
目から鱗というほどではありませんが、針よりよっぽど効果がありました。

まとめ

最後の失敗の目地材剥がしは数日掛けて夜な夜なひたすら削った苦い思い出です。しかし最終的には、執念で何とか自分が納得いくところまで完成させることができました。
色々失敗した製作過程も今は良い思い出、お気に入りの食器棚になって大満足です。

とはいえ、最初から欲を出して難しいデザインにせずに、クラフトサイズ程度のシンプルなものから始めるべきだったなとは思います。
ここで苦労したおかげで目地材の配合など何となくコツはつかめて下記クラフト作品を作るときはスムーズでしたが・・・。
何事も経験ですね~。

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